「……いたっ」
ポールが私の足の上に勢いよく落ちて私はその痛みに耐えきれず足を抑えて座り込んだ。
「南帆…っ!大丈夫!?」
すかさず、來未が心配そうな面持ちで駆け寄ってくる。
心配なんてかけちゃダメ。
痛いけど……何が何でも立たなきゃ。
足に力を入れようとしても逆に激しい痛みがはしってとても立てそうになんてない。
周りがザワザワと騒がしくなってきて
ポールを蹴った張本人は口を抑えて涙目になっている。
まさか、こんなことになるなんて思ってなかったんだろうな。
「私は大丈夫だから…。
あんたたちはバスケの試合でも見ときなよ」
見たいんでしょ?
こんな私の情けない姿なんていつまでも見てないで……
「ミナ…っ!?」
え…っ?
今聞こえるはずのないところから声がしたような?
だって……今は試合中だよ?



