【完】お前のこと、好きすぎてやばい。





「なあなあ、昨日のテレビさー…」



突然、話の話題を変えてきた彼。


バカだから気づいてないのか、それとも気づいているのに気づかないフリをしているのか、


さっきから同じ学校を目指して歩いている生徒たちにチラチラと見られてその度にヒソヒソと耳打ちで話されているのを分かってないの?



斗樹とは何回か一緒に学校へ行くことがある。



もちろん全部斗樹からで、しかも直前になって言うからほんとにバカというか…なんというか。


でも、正直毎度のことで慣れてしまったからもう今はなんとも思わないけどね。




「見てない」



「俺、まだ何の番組か言ってねぇんだけど!」



「どうせ、しょうもなかったんでしょ?」



「お!正解!さすが俺の幼なじみ〜!!」



楽しそうに頭の上に音符を浮かばせながら、ニッと笑い、八重歯を覗かせながら、頬にはえくぼを作って白い歯を見せて無邪気に喜んでいる。



その様子はまるで幼稚園児のようで……
呆れてしまいそうになるけど、そんな斗樹を見ていたらついおかしくてクスリ、と笑ってしまった。