【完】お前のこと、好きすぎてやばい。





「ん」



炭谷くんが去ってすぐに斗樹は私の方に手を差し伸べてきた。



「はい、どうぞ…っていうか、いい加減自分のタオル持ってくれば?」



差し伸べられた手に私は文句を言いつつも
いつものように手に持っていたまだ使っていないタオルを渡す。



斗樹はスポーツが終わると必ずと言っていいほど私のところにタオルを借りにくる。


持ってこなけりゃいいのに
もしかしたら、斗樹が来るかもなんて思うと自然と体が動いてタオルをカバンの中に入れている。



「さんきゅー、それは気が向いたらな。

俺お前ん家の柔軟剤好きなんだよなー」



渡られたタオルで汗を拭き取り肩にタオルをかける。


斗樹専用のタオルを作ってしまうほど彼は毎回私に借りにくるのだ。



「ふーん。それなら、斗樹も私ん家の柔軟剤にしてもらえばいいのに」



そしたら、私がわざわざタオル持ってくる必要もなくなるのに。



「はぁ?お前はほんと分かってねぇな。

そんなことしたら、お前と話す機会が減るだろ?この頭には何が詰まってんですかー?」



バカにしたような表情でおでこをツンツンと人差し指でつついてくる。



「私は話したくない」



つつかれている手を払ってギッと斗樹の黒目がちな瞳に向かって睨みつける。



「お前の都合とか聞いてない」



すると、彼はますます不機嫌な表情を浮かべていく。


何がそんなに気に食わないの?


試合には勝ったんでしょ?



「さっさと試合行ってきなよ。負けたら罰ゲームだからね」