【完】お前のこと、好きすぎてやばい。





「…コイツはそんなに素直なやつじゃねぇよ」



聞き覚えのある声


その声は息が荒くて、視線を少しずらし声の主のほうを見れば、額に大量の汗が流れていた。



「…斗樹?」



いつの間にか試合は終わっていたみたいでさっきまで試合を見ていたギャラリーも少なくなっていた。


ていうか、なんで斗樹がこんなところに?



「ミナは意地っ張りだから
すぐに弱音とか吐くやつじゃねぇの」



私の方なんか見向きもせずに炭谷くんだけを見ている。


そこからは負のオーラがムンムンしていてあきらかにいつもとは違う斗樹。



「何が言いたいわけ?君は」



炭谷くんはそんな斗樹に焦りも動揺もせずに淡々と会話を繋げる。



「だから、困っても
お前のところにだけは行かせねぇよ」



ぐいっ、と私の体を自分の方に引き寄せ腰を抱いた。


今までこんなにも斗樹と至近距離になったことがないから嫌でもドキドキしてしまう。



「それは君が決めることじゃないだろ?」



まったく引き下がろうとしない炭谷くん。


なんか嬉しい……そんな気持ちが胸の中にフツフツと湧き上がってくる。