「そうだね。なんかカレカノっぽい」


繋がれた手を見ながら照れくさそうに、でも幸せそうに微笑むミナに俺の心はもうノックアウト。


あー、その笑顔は反則だろ。


「俺らカレカノじゃん」


「だね」


なんか小さなミナと手を繋いでいるだけで
心が穏やかになって落ち着くから不思議だ。


会話がなくても幸せを感じられるってもう俺最高じゃん。


「斗樹の手ってなんか安心する」


ミナはぽつり、と優しくて可愛い声で呟いた。


「そうか?」


「うん。ずっと繋いでたいくらい」


「なっ…」


不意打ちだ。
こんなのアリかよ…ズルすぎるだろ。


確かに甘えろとは言ったけどいきなりすぎる。
そのせいで俺の鼓動は加速していく。


サラッとそんなこと言うミナはズルい。
しかも、無意識だから余計にタチが悪い。


でも、言われて喜んでいるのは俺だ。
俺だけに言うなら毎日でも言ってほしいな。


だけど、ミナはそう甘くはないから
たまーにじゃないと言ってくれねぇし。


まあ、そのたまーにが可愛くてギャップがあるからそれで満足できるんだけどな。



「これからもこうして私と手を繋いでね。
あとは、たまにでいいから抱きしめて欲しいな…斗樹の柔軟剤の匂い気に入ってるし」


おいおい…マジで俺の目の前にいるのって南帆?
素直すぎて困るくらいなんだけど。


しかも、言ってることが恥ずかしいのか顔はトマトのように真っ赤だから可愛さが増している。


ああ…マジでたまんねぇわ。
今すぐ抱きしめて、キスしてぇ…。


だけど、外だから我慢我慢…!


「斗樹、いつもは言わないけど大好きだよ」


そう言いながら、ほんのりと頬を赤く染めて天使のような笑顔を俺に向ける。

その言葉と仕草だけで俺の心は簡単に満たされて尋常じゃないくらい心臓が加速して騒がしい。




「マジで…可愛すぎ。好き、大好き」




なぁ、ミナ。


俺さ…お前のこと、好きすぎてやばい。





【 F i n 】