「あ、ごめん。当たった」


なんて、サラッと悪気がなさそうに謝るからイジワルしてやる。
俺に枕なんか投げるのが悪いんだからな。


「覚悟しろよ」


「えっ…はっ…?」


俺はミナの腰に手を当てて、素早く動かした。
すると、ミナは「あははは…!」と笑い声を上げ始めた。


それもそのはず、だって俺がコショコショしてるんだから。


「や、めて……あはは!」


「ごめんなさい、は?」


「ごめんごめん…!」


まあ、観念してるようだからここらでやめてやるか。
そろそろ、学校にも行かなきゃなんねぇし。


「さーてと、学校行くか」


「あ、ちょっと待ちなさいよ!」


自分のカバンとミナのカバンを持って家から出ると、あとからミナも慌てて玄関から飛び出してきた。