「でも、なんで一緒にいなかったの?」


「観覧車に乗りてぇって言われたんだ。
だけど、俺は観覧車だけはお前としか乗りたくなかったし、ついでに告白も断ったら泣いて帰った」


な、なにそれ……しかもさりげなく胸キュンするような事まで言ってるし。


なんか恥ずかしい…私ってば坂口さんと付き合ってると思い込んでたから。


「まあまあ、妬くなって。
つーか、この俺様を待たせたんだから
ちゃんとこれからは甘えさせろよな」


「妬いてないし!
甘えないでよ、そんな斗樹は気持ち悪い」


「は?気持ち悪いだと?
そんな事言っても俺は聞かねぇからな。
待たされた分、甘えてやる」


「ちょ…!顔近い!」


斗樹は本当に嬉しいのかニコニコとさっきから頬が緩みっぱなしだ。


「あー、ちょっと向こう向いてて」


だけど急にそう言われて、強引に景色の方を向かされて斗樹の顔が見えない。


「斗樹?」


「こっち見んなよ」


斗樹の声は震えていて泣いているのが分かった。
泣き虫だな…斗樹は。


「泣いてるんでしょ?」


「だって…お前がもう一度俺を好きになってくれるなんて。」


さっきまで強気だったくせに…と思ったけどきっと私が想像している以上に斗樹は辛かったし、不安だったんだろうな。