「ねえ」
言わなきゃ。
斗樹は私に今までたくさんの想いを伝えてくれていたから。
「んだよ。好きなやつ出来たとかなら聞かねぇよ」
「好きな人できたよ」
「聞きたくねぇってば」
わかりやすく眉間にシワを寄せて不機嫌な様子をもろに出す斗樹。
「斗樹のことが好きなの」
「は?」
言ってしまった…
でも、言いたいことはこれだけじゃない。
斗樹は冗談だと思っているのかまだ表情は冷たいまま。
「私を斗樹の彼女にしてください。
彼女にしてくれるならキスして」
「…っ!」
そう、あの日の約束を交わしたセリフで…
君に想いを伝えたかった。
ちょうど十年後だとはいえないけど、まだ有効であってほしい。
「……彼女はムリだな」
「…うん」
フラれた…当たり前だよね。
可愛い彼女がいるんだから。
坂口さんが泣いていたのは喧嘩したからなのかもしれないし。



