「……斗樹だ」
今度こそ間違いない。
ずっとあの背中が嫌いだった。
俺様感がいっぱいでバカなくせに偉そうで…
でも本当は優しくて明るい斗樹が好きだった。
ただ、素直になれなくて認めたくなかっただけ。
斗樹はもうすぐ観覧車に乗ってしまう。
だから、私は疲れきった体を動かして斗樹の方へと走った。
「お客様…!」
遊園地の人に声をかけられても無視した。
ただこの気持ちを彼に一秒でも早く伝えたくて。
ごめんなさい…順番抜かしして…でも許して…!
罪悪感を感じながらも斗樹のところまで無事にたどり着いた。
斗樹はもうゴンドラに乗っていて遊園地の人が斗樹の乗っているゴンドラの扉を閉めようとしていたところだった。
「待って……!」
私は一言そう叫んで、勢いよくゴンドラに乗り込んだ。
間一髪ってやつ……?
いきなり飛び込んできた私を見て斗樹は目を丸くさせて、言葉を失っているのか何も言わない。



