「あんたはなんでも均等にできるからね。
それにあんなイケメンな幼なじみもいるなんて最高じゃん!」



宝石のようにキラキラと輝かせた瞳を私に向けて肩をグラングランと強く揺する。


そのせいで私の視界も揺れる。


酔いそうだ……。



「斗樹はイケメンの分類には入るけどプレイボーイだもん」



そりゃあ、黒目がちでキリッとした切れ長な瞳にスッと筋の通った鼻、形のいい健康なピンク色の唇


毎日、たくさんの時間をかけているであろう、ワックスできっちりとセットされた髪の毛。


誰がどうみても今どきのイケメン。
そこらへんの芸能人に負けないほどの顔立ち。


性格だって、私みたいにひねくれてないし
超ポジティブで明るいところもあれば強引で俺様なところもある。


意地悪の中にちゃんと優しさもあるのも知っているけど……


やっぱりプレイボーイなんて絶対嫌だから。
來未は面食いだからそう思うだけ。



「あーっ!あたしにも
あんなイケメン幼なじみがいたらなぁ〜…」



來未は体育館の手すりにダラーンともたれて嘆いた。



「変わってあげれるなら変わってあげるよ」



斗樹が幼なじみでいいことなんて今まで一つもないんだもん。


幼稚園の時の記憶はほとんどないから分からないけど、


小学校高学年のときは私と斗樹は付き合っているなんて変な噂は流されて


クラスの女子からハブられて、中学に入ると斗樹の女遊びが始まり、歳を追うごとにそれは酷さが増していった。