「私、大切なこと忘れてる気がするんだよね」
なにか…とても大切なことを。
でも、それが何かなんて思い出せない。
斗樹も関わっているのかすら分からない。
クマ子の頭を撫でてからクローゼットを片付けるためにクローゼットを開けた。
「うわぁ…これは夜までかかるな」
今は15時だから三時間ほどクローゼットの整理整頓をしなくちゃいけないということ。
気が遠くなりそう……
山積みにされた物。ていうかこれほとんどお母さんが勝手に置いていったやつだし。
と、心の中で文句を言いながら作業を進める。
そんなとき、クローゼットの奥に大切にしまわれていた大きな箱を見つけた。
「…なんだろうこれ」
不思議に思ってその箱を自分の方に引き寄せてると箱の上にはたくさんのホコリが溜まっていた。