《南帆side》



「南帆〜、クローゼットの中
汚くなってたから片付けた方がいいわよ」



土曜日のお昼頃、昼寝をしたから眠い目を擦りながら起床するとお母さんが一階から大声でそういった。


朝からすごい元気……おかげですぐも覚めそうだよ。


確かに最近はクローゼットすら開けてなかったから汚くなっているかもしれない。
そう思ってベッドから重い体を起こす。


ふと、視界に入る隣の家の窓。
いつもならカーテンなんて閉められていなかったのに


少し前から青いカーテンで閉められていて完全に斗樹に嫌われているということが分かる証拠だった。


そして、棚の上には斗樹がくれて大切に置いてあったクマのぬいぐるみがある。
私はクマ子に向かってそっと話しかけた。



「ねぇ、クマ子。
斗樹はどんな想いでクマ子を私にくれたんだろう」



私がカミナリが苦手だから
一人でも大丈夫なようにくれたのかな?