その声がした方に視線をやると斗樹の彼女の坂口舞鈴(さかぐちまりん)ちゃんが手を振っていた。



「邪魔者の私は消えるね。
じゃあ、来週の土曜日楽しんで。喧嘩しちゃダメだよ」



ズキズキと痛む胸を誤魔化すように私は斗樹に背を向けて言った。
今度は私が斗樹の背中を押すの…斗樹が私の背中を押してくれたみたいに。



「…お前に心配される筋合いねぇよ」



冷たくそういうと斗樹は坂口さんのところに行ってしまった。


斗樹に嫌われて当然だ……。
私のした行動は斗樹を怒らせてしまっておかしくない。


もう…私のことなんて嫌いになっちゃったよね。