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「南帆、辛かったよね。
辛い時にそばにいてあげられなくてごめんね」
次の日の朝、來未に炭谷くんのことを話すと悲しそうに顔を歪ませて頭を撫でてくれた。
「もう大丈夫だよ。
それに……もしかしたら他に好きな人いるかも」
「え?」
「私、斗樹のこと好きかもしれない」
「マジで…!?じゃあ、告白すれば!?」
一気にテンションが上がった來未は私の肩を揺すりながら話すから視界もグラングランと揺れる。
「無理だよ。斗樹には彼女がいるんだし。
第一、告白したいなんて思ってないもん」
「うーん…彼女ねぇ…」
「もう全部が遅かったんだよ。
だから、好きだけど好きじゃないって思うことにする」
「それじゃあ、好きだって自覚した意味がなくなるじゃん」
そうかもしれないけど…このまま好きでいても斗樹は彼女のことが好きで私に気持ちが向くことはない。
斗樹も今回ばかりは本気なのかもしれない…だって彼女ができても私にわざわざ知らせに来なかったもん。



