そのタオルからは斗樹の家の柔軟剤の優しい匂いがして、張っていた気が一気にプツンと切れたように涙が出てきた。
「うぅっ……斗樹のバカッ……」
「うん…」
「なんで…優しくするのよ…っ!」
私はいつも斗樹に優しくなんてしてあげられてないのに。
むしろ、ひどい扱いしかできてないのに…どうして?
少しの沈黙の後、斗樹が静かに口を開いた。
「…俺はほんとバカだよ。自分でも呆れるくらい。
振り向かない女のことなんて放っておけばいいのに…」
切ない斗樹の声が私の耳に届く。
その声は私の心をギュッと苦しいくらいに締め付ける。
「それでも…
お前のことを放っておくなんて
俺にはどうやっても出来ねぇんだよ」
「俺って正真正銘のバカ?」なんて呆れながらも言う彼に少しだけ心が救われた。
変に気取らずにいつも通りの斗樹のような気がしたから。



