きっと俺だけしか覚えていないし、ミナはもう忘れているだろうな。
俺は昔からお前しか好きじゃなかったのにな。
それをお前は昔から何一つも知らなかった。
俺も見栄はりすぎてたからなのかもしれない。
過去に戻れるのならやり直したいくらいだ。
でも、どんなにそう思っても戻るわけがないからただ幸せそうに微笑むアイツらを見ている事しか出来ない。
それが今の俺の役目だ。
「好き…だったりするの?」
「そんなことお前に言ってどうすんの?」
「だってライバルになるかもしれないじゃん」
ライバル…ね。
ライバルも何もミナは俺のことなんて好きじゃないからそうなることはねぇのに。
「お前がミナとライバルになることはねぇよ。
だって、ミナは俺のことを好きじゃねぇんだから」
「でも、斗樹くんは好きなんでしょ?
だったら、ライバルになるじゃん」
「ならねぇよ。
ライバル以前に俺はミナ以外好きになれねぇんだから…!」
口に出してしまってからすぐに後悔した。
こんなことをコイツに言っても意味が無いのに。



