「南帆ちゃんと今度は遠出したいな」
「いいね。どこにいく?」
また聞こえてくる俺を苦しめる会話たち。
もうやめてくれよ…こんなの聞きたくないっつーの。
自分が遠のいていけばいいだけなのに体は二人の会話が気になってそうはしてくれない。
それなのに心はズキズキと痛む。
なるべく聞かないようにはするけど、度々聞こえてくる会話の内容に胸を何度も痛めながら歩く。
音楽を聴きながら帰ろう。
そしたら、会話が聞こえなくなる……と思っていると後ろから誰かに肩を叩かれた。
驚いて視線をそちらに向けるとそこには昼休みに俺に謎の告白をした女が立っていた。
「白崎くん、一緒に帰ろ?」
「お前家どこだよ」
「あそこをまっすぐ行って右に曲がったところ」
「案外、俺の家と近いんだな」
すっげぇどうでもいいけど。
別にコイツとの家が近かろうが遠かろうが俺には関係ねぇし。
まあ、でもコイツと一緒に帰って二人の会話が耳に入らなくなるならそれでいっか。



