「斗樹〜、お呼び出しがかかってるぞ」



教室に入って数分後にそう言われてドアの方を見ると一人の女がモジモジしながら立っていた。


何の用だよ……めんどくせぇと思いながらも仕方ないから女の方へと向かう。



「なに?」


「あ、あの…す、好きです…」



緊張しているのがすげぇわかるくらい震えた声でいう彼女は恥ずかしいのか俺と視線を合わせようとはしない。



「あ!付き合いたいとかは全然思ってないので!」



そういってパッと顔を上げた時に必然的に俺と視線が絡み合って面白いくらいその女は顔を真っ赤に染めた。


この女…誰かさんに似てんだよな。
思い出してはいけない誰かさんに。



「ありがとな」


「でも…一つお願いがあって
今度一緒にデートしてくれませんか?」



デート?


付き合いたいとは思ってねぇのに
デートなんかして何が面白いんだよ。