《斗樹side》



「勝負に負けた時の約束覚えてるよね」


「覚えてる」



持久走大会が終わって二日ほど経った日の昼休み。
あれから、ミナは炭谷と付き合っている。


そんなときに炭谷に呼び出された。
一体なんの話をするつもりだ?


ミナの好きなもんとか俺から聞き出そうとか思ってんのか?
本当にコイツは好かねぇやつだわ。



「知ってると思うけど、俺と南帆ちゃんは付き合ってるから。邪魔しないでね」


「そんな幼稚なことするつもりはもうねぇよ。でも…」



諦める決意はしてるから、ミナのことはもう幼なじみとして見ていくことにするんだ。


ミナが炭谷と幸せそうにしているなら俺は十分だから。