そんな仲になりたい、と思っても一人が思っているだけじゃ無理だし…。


私はそんな仲の斗樹がいることが今まで当たり前だと思ってしまったいたけど先生に言われて気がついた。


たまたま私は斗樹と家が近くて、昔からずっと一緒に育ってきて…離れたことなんてなかったから分からなかった。



「そうですね」


「それに、彼はあなたのことが大好きってこっちにまで伝わってくる」


「え?」


「だって、彼があなたの話をしている時とかあなたと会話をしている時の顔がすごく幸せそうで見てるこっちまで幸せになれそうな感じがするもの」



そう言っている先生の表情も頬が緩んでいるから本当にそう思っているんだろうな…と思う。



「さっきもあなたが診察してもらっていた時に
『アイツだけは放っておけないんです』って話してたわよ」


「なんか…恥ずかしいです」



先生にまで何言っちゃってるのよ…。
聞いてるこっちがはずかしくなってくる。



「それだけ彼に想われてるってことよ」



嬉しそうに微笑みながら車を運転する先生。
その横で私は複雑な気持ちを抱えたまま窓の外の景色を見ていた。


私は炭谷くんが好きなんだもん…
だから、斗樹がどうなろうが……知らないもん。