私なんて斗樹に憎まれ口しか叩いてないって言うのに。



「私が斗樹を好きになるなんて…ないですから」


「本当はもうちょっとは好きなんじゃないの?」



來未といい、先生といい、なんで口を揃えて同じこと言うのかな?


そんなに私が斗樹のことを好きなように思えるのかな?



「違いますよ」


「あなたたちはお似合いだと思うけどね。
何でも言い合える仲になんてそうそうなれるもんじゃないのよ」



先生の言葉は私の心の中に不思議なくらいスッと入ってきて正直戸惑った。


だって、先生が言っていることはお似合いかどうかは分からないけど、あとの言葉はあながち間違ってないんだもん。


悪口を言ったり、素を出せたり、笑い合えたり、お互いに思っていることを言い合える仲にはなかなかなれない。