【完】お前のこと、好きすぎてやばい。




「なぁ、聞いてる?
それとも俺に言えないような内容?」



忘れたノートを取りに来たのか手には目的の忘れ物であろうノートを持っている。


だけど、視線は真っ直ぐなくらい私に向けられていて焦った私はとっさに口を開いた。



「クラスの女の子に炭谷くんの悪口言われたから
ムカついて…それでその子との勝負に負けたら
炭谷くんと縁を切るっていう約束で勝負するの」



ウソをついた。
本当は斗樹の悪口を言われたからなのに炭谷くんの悪口を言われたと言ってしまった。


そのせいで私はまた斗樹にひどく切ない表情をさせてしまっている。


前まではその表情をさせてしまっても痛みの一つも感じなかったのに今はとても感じるから不思議。



「ふぅん…。
頑張れって言いたいところだけどやっぱ無理だわ」


「いいよ、別に言ってくれなくて」


「最低だけど……負けてくれって思ってる」



ぽつり、とグラウンドから野球部の練習の声が微かに聞こえる教室で斗樹は静かに呟いた。