《南帆side》
「ねぇ、來未。
どうするのが一番だと思う?」
斗樹と炭谷くんが持久走大会で勝負をすると
言い始めてから三日ほどたったある日の放課後。
私たちはいつものように廊下でベラベラと話に花を咲かせていた。
「どうするって言ったって…
じゃあ、ミナはどっちが好きなの?」
「どっちって炭谷くんに決まってるじゃん」
斗樹を好きなんて、ありえないよ。
恋愛対象外だし……。
「でもさ、炭谷くんが好きなら
告白の返事すぐにできるのになんでしないの?」
ギクッ……
やっぱり、それは言われちゃうよね。
私だって誰かに聞きたいくらいその理由がわからない。