「別に。そんなこと言ってるのも今だけで明日には新しい彼女でも作ってんじゃないの?」
相手はプレイボーイ、しかも、プロ級の。
いちいち、相手になんかしてらんない。
「ふーん、信じてないんだ。
なら、嫌でも信じさせてやるから覚悟しとけよ」
「はいはい。ご勝手にどうぞ」
左の口の端をあげてニヤリと笑みを浮かべている斗樹のことなんかほっといて、歩くペースをあげる。
私が斗樹の彼女なんて地球が滅んでもない。
というか、絶対やだし。
他の女の子にホイホイ行っちゃうような男なんか好きになんてならない。
「ツンデレだな、ツンデレ」
そんなことを言いながら私の体に自分の体を当ててくる。
「あんたが動く度に香水の匂いがこっちに漂ってくるからやめて」
高校生になった斗樹はオシャレに目覚めたのか制服は緩く着崩して、耳にはゴールドのリングピアスに香水までつけちゃってる。
おまけに髪の毛までまるでミルクチョコレートのような茶色に染めてるし。
思い切り、校則違反しまくっているのだ。



