「朝からそんな冗談言うために…「冗談じゃねぇよ」
“冗談言うために来たの?”
その言葉は上から言葉を被せてきた彼の声に消しさられた。
「……俺は本気だから。
本気でお前を彼女にしたいと思ってる」
あまりにも真剣な眼差しで言うから信じるしか選択肢がなくなってしまう。
いつもニコニコしてておちゃらけている斗樹とは違って、珍しい真剣な表情に不覚にもドキリとしてしまった。
「な、何言って……」
「あ、やっと信じてくれたな?」
今度はいたずらっぽく笑うから、またしても私の胸はトクンと弾む。
私があの斗樹にときめいてるなんて……
いや、これは不可抗力だ。
ギャップってやつだよ。
それに私はきっと弱いんだよ、だからだ。
ギャップ男子になら私は誰だってときめくんだ。
それしかありえない。
私が斗樹相手にドキドキしてるなんて。