「チャラ男、プレイボーイ、バカ」



思いつくだけの悪口をヤツ…白崎斗樹(しらさきとき)にぶつける。


彼とは家が近所で幼いときから一緒、つまりは幼なじみという存在にあたる人だ。


でも、チャラい。


昔は優しくて笑顔が可愛い無邪気な男の子だったのに中学に上がり、彼女ができると“プレイボーイ”へと進化してしまった。


まあ、顔立ちがそこらの芸能人よりもはるかに上で運動神経も抜群だから、モテる要素があるのは分かる。


でも、欠点が一つ。
勉強面が最高に劣っていること。


いわゆる、バカ。
性格だってすごい呑気だし、絶対私じゃなれない性格だ。



「はいはい。なんとでも言えよ

俺はどうせ、チャラくてプレイボーイでバカですよ」



後頭部に両手を重ねて拗ねたように口をピュッと尖らせているところも昔から変わらない。



「開き直んな。そういうところがバカな原因」


「はぁ?!お前さっきからひどくない!?」


「私があんたにひどいなんて今に始まったことじゃない」



私の性格上女の子らしく可愛くする、なんてことは到底不可能で冷めた女にしかなれない。