けど……何も起こらない。


ビックリしてまぶたを上げると目の前にはクマ子がいて、何事かと思ったら斗樹が私の顔の前にクマ子を持ってきていた。



「え?」


「俺、クマ子とチューしちゃった」


「なっ…!何してくれてんのよ!」



これは仮にも私があんたからもらった誕生日プレゼントなのに…!



「あ、妬いてる?
そうか、南帆は俺とキスしたかったんだな」



意地悪そうな笑顔を浮かべて彼は言う。



「そんなわけないでしょ…!
このチャラ男!プレイボーイ!!」



顔の前にいるクマ子を斗樹の手から奪い取り、ぎゅーっと胸の前で抱きしめる。


可哀想だったね、クマ子。