恥ずかしがってクマのぬいぐるみに話しかけるところが少しだけ、ほんのちょっとだけ可愛いと思ってしまったよ。
「いつの間にかミナは
俺じゃなくても大丈夫になってたんだもんなぁ…」
「え?どういうこと?」
「なんでもねぇ……こっちの話」
斗樹の意味深な言葉の意味なんて分かるはずなくて
いくら聞いても斗樹は話してくれなかった。
「しかも、クマ子とか名前ダサすぎ」
なかなか話してくれないからもう諦めてほかの話題を振った。
ていうか、なんで私から話を振ってるんだろう。
「はぁ?じゃあ何だったら可愛いんだよ」
「クマ美とか?」
「いやいや、お前のもなかなかダセェよ」
「クマ子よりマシよ」
「絶対クマ子もクマ子の方がいいって思ってる」
なんて、クスクスと笑いながら
斗樹はぬいぐるみの頭をまた撫でる。



