「なぁ…クマ子。俺はどうしたらいいと思う?
応援しなきゃって頭では分かってるけどさ……やっぱ無理っぽい」
「ちょっと…斗樹何やってんの?
ぬいぐるみに話しかけてどうするの?」
そんな私の言葉なんて無視して斗樹は続ける。
「クマ子。ミナがカミナリとかで怖がってる時は
俺の代わりにお前が守ってやれよ、任せたからな」
思いもよらない斗樹の言葉にドクンと胸が不意に高鳴った。
斗樹は私がカミナリが怖いのを知っているから…実は寂しがり屋なのもちゃんと分かってくれているからぬいぐるみをプレゼントしてくれたんだ。
私は女の子らしくないからぬいぐるみを買うのさえ躊躇して全くぬいぐるみを持っていなくて寂しいときもずっと我慢していた。
斗樹のさりげない気遣いと優しさに胸がキュウと締め付けられた。
「ねぇ、本人が前にいるんだから私に言えばいいのに」
「そんなの…恥ずいんだよ。なあ?クマ子」
少し頬を赤らめながら
クマの頭を愛おしそうに撫でる斗樹。



