「しかも、私は斗樹の下僕にはならないって言ってるじゃん」
「…はぁ、もうなんでもいいよ。
お前が俺の隣にいてくれるならさ」
「あ、でも私は斗樹のことは好きにはならないからね」
「はいはい。分かってるっつーの」
呆れたように、でもどこか嬉しそうに言った斗樹はほとんどいつもと同じ斗樹に戻っていた。
「…炭谷に返事しねぇの?」
「え?」
まさか斗樹の口からそんなことが出てくるなんて
思ってもなかったからビックリして声が出た。
「だって、好きなんだろ?」
「うん…」
「こんな散々言っててあれだけどさ…
ミナが付き合いたいなら付き合ってもいいと俺は……」
「ん?」
中途半端なところで黙り込んでしまった斗樹を不思議に思いつつ、ぬいぐるみを取り出す。
すると、取り出したぬいぐるみを斗樹が私の手から奪ってぬいぐるみに向かって話し始めた。



