「縛るって何の話?」
「だから、俺の一方的な感情でお前のことを縛ってるって話。
お前は俺のことなんて好きじゃねぇのに迷惑だよな」
「はぁ?迷惑とか意味不明なんだけど」
「え?」
「私、普段斗樹の悪口とかしか言わないし
ウザイとか迷惑とか思う時もあるけど……
本気で嫌だとか嫌いとか迷惑とは思ったことはないよ」
「っ…」
斗樹は確かにウザイしチャラいし、迷惑なこともたくさんあるけど、嫌いにはならないし、本気で迷惑とかウザイとかは思ったことはない。
だって、それ以上に斗樹がイイヤツだって分かってるから。
「だから、このぬいぐるみも
カバンにつけてるクマも大切にする…か…ら…」
言葉を全て言い終わる頃に
斗樹が私のことをギュッと抱きしめた。



