「南帆ちゃんの嫌がることばっかりしてたら
本当に嫌われちゃうと思うけどな」
「つーか、南帆ちゃんとか呼んでんじゃねぇよ」
「俺がなんて呼ぼうが彼氏でもない君には関係ないって言ってるだろ」
「は?関係あるし」
「幼なじみだからって
南帆ちゃんのこと縛るのはもうやめたら?」
二人の言い合いはなかなか終わらなくて
終わるどころかヒートアップしていっているような気さえする。
ど、どうしたらいいの…!?
止めるべき?でもどうやって止める?
「…っ。うるせぇな」
言い合いを止める術を考えていたら突然斗樹の声が小さくなって弱々しくなったから
パッと視線を上にあげて斗樹を見ると、ビックリするほど切ない表情で炭谷くんを見ていた。
斗樹……?
たまに、斗樹はこうしてとても切なそうな表情を見せる。



