【完】お前のこと、好きすぎてやばい。




いつもこういうときは斗樹に頼ってばかりだったなぁ。
アイツはフレンドリーで人懐っこいから誰とでもすぐに友達になれるタイプで人馴れしてるんだよ。


だから、店員さんにもニコニコ笑顔で注文している。
そんな斗樹を私はいつも隣で見てきた。


斗樹に彼女ができたって、それは変わらなくて斗樹は私のことをいつも隣にいさせた。


それは私のことが好きだったからなのかな?


ぼんやりとそんなことを考えながら先に運んでもらっていたお水を手に取ってゴクリと一口飲む。


カランカラン、と氷と氷がぶつかり合い音を立てる。
まるで言い合いの多い私と斗樹のようだ。



「ねえ、南帆ちゃん」


「ん?なに?」


「南帆ちゃんの好きな食べ物はなに?」



まさかそんなことを聞かれるとは思ってなかったので
少し驚いたけど、炭谷くんが私のことを知ろうとしてくれてあることがただ純粋に嬉しかった。



「私はチョコレートだよ。
ちょびっとチョコレートっていうレアなチョコ」


「あっ、あの有名な会社のチョコレート!あれ、美味しいよな」


「︎炭谷くんも食べたことある?
あの甘すぎず苦すぎずっていう味が美味しいよね」



絶妙のバランスで作られているチョコレートはとても美味しくて、斗樹に買ってもらって食べた日からもう私はそのチョコレートの虜だ。