「今日、誕生日なんだってね。
俺、何も知らなくてプレゼントとか用意出来なかったから今日は俺のおごり!」
「えっ!?そんなの悪いよ…!」
「いいのいいの。
ここのオススメはね、チョコレートケーキなんだ」
そういいながら炭谷くんは私に微笑みかける。
「他にもメニューあるから好きなの選んで」といって私にメニュー表を広げて見せてくれる。
「いつも炭谷くんは何を頼むの?」
炭谷くんの好きなもの知りたいな。
コーヒーはミルクを入れるのかな?それともブラックかな?
斗樹はブラックは苦すぎて飲めないからいつもカフェオレ…なんて斗樹のことなんてどうでもいいんだって。
つい、出てきてしまう斗樹の存在を頭からかき消すように一度だけキュッと目を瞑って、頭を切り替えてから目を開ける。



