そういえば、私…炭谷くんに告白されたんだった。
夏休みに入る前だったからすっかり頭から抜けていた。
答えはもう決まってるのに
どうして言葉に出来ないんだろう。
もう気になる人なんかじゃなくて好きな人なのに。
「南帆ちゃん」
「え?」
「って呼んでもいいかな?」
「う、うん!もちろんだよ!」
「ありがとう」
名前で呼ばれただけで
こんなに顔が沸騰しそうなくらい熱い。
幸せ、ってこういうことのことを言うのかな?
「南帆ちゃんってさ、結構サバサバしてるように見えて女の子らしいところもあるよね」
「そうかな?
そんなこと初めて言われたよ」
斗樹はいつも私のことを“冷めてる”だとか“女らしくない”とかしか言わないから。



