当の本人、斗樹はまだ教室で他の女の子とニコニコしながらじゃれあっている。
何してんのよ……チャラ男。
って私ってばなに気にしちゃってるの?
斗樹のことなんてどうでもいいんだから。
なのに、夏休みに入る前よりも少しだけ斗樹という存在が幼なじみとして見れなくなってきているような、そんな気がしてならない。
だけど、これは一瞬の気の迷い。
だって炭谷くんがそばにいるだけでこんなにも私はドキドキしてる、彼が笑顔を向けてくれたら胸が高鳴る。
だから、斗樹に幼なじみ以上の感情なんてありえない。
頭からそんなことをかき消しながら炭谷くんの隣を歩く。
「どこかに行きたいとかある?」
「ううん!特にないよ!」
「そっか。じゃあ俺の行きつけのカフェにでも行こっか」
「うん!」
炭谷くんの行きつけのお店かぁ。
そんなところに連れて行ってもらえるなんてなんか嬉しいな。



