だけど、斗樹は何も無かったかのように私から目を逸らした。
でも私は気づいていたよ…斗樹がものすごく切なげに私を見ていたことに。



それぐらい幼なじみなんだから気づくよ。
斗樹には悪いけど、私は炭谷くんのことが好きなの。



「ねえ!南帆〜!!」



斗樹のことを考えていると後ろから聞き覚えのある可愛らしい声がしたから、そちらに視線を向けるとやっぱり來未が笑顔を私に向けて立っていた。



「どうしたの?」


「誕生日おめでとう!!
聞いたよ、放課後炭谷くんとデートなんだってね!

頑張ってね!!何かあったらすぐに連絡してよね!」



そう言われて綺麗にラッピングされた袋を渡された。
來未に言われて思い出したよ。
そういえば、今日は私の誕生日だったんだ。



「ありがとう!
何も無いとは思うけど、連絡するね」



やっぱり、人から何かをもらうのは嬉しい。
だってその人は自分の時間を削ってまで私のためにプレゼントを選んでくれたんだから。