「つーか、無防備すぎて困る」
俺がいるってこと忘れてんのかよ。
お腹なんて出してさ、襲えって言ってんですか?
まあ、そんなことありえないけど。
ミナをお姫様抱っこすると、ダランとしていた腕を俺の首に巻き付けてきた。
そしてギュッとしがみついてくるから、俺の心臓は今にも爆発しそうなくらいドキドキしている。
「クッソ……。
俺じゃなかったら襲われてんぞ。この鈍感クソ野郎が」
スヤスヤと眠るミナへの不満もこぼしながら一段一段、階段を上っていく。
そして、無事に部屋にたどり着いてミナをベッドの上に下ろして、そっと布団をかけた。
まだ天候は悪いままだけどこんなにスヤスヤと気持ちよさそうに眠っているのだから俺が帰っても大丈夫だろう。