それでも、諦めきれなくて
冷たいくせにたまにふわっと笑う姿や意外とピュアなところとか……全てに俺はぞっこん。


なのに、アイツはなんで炭谷なんかを……。
分かってるけど…俺がいい男じゃないことぐらい。



「南帆にモテなきゃ意味ねぇんだって…」



さっきから俺は誰に向かって話しているのだろう。
嫌なぐらい本音がこぼれ落ちてしまう。



──ガチャ



「いい湯だった〜」



なんて、バスタオルで髪の毛をワシャワシャと拭きながら扉を開けて入ってきたミナ。


その顔はどこか赤いような気がする。
まあ、風呂上がりだし当たり前か。