【完】お前のこと、好きすぎてやばい。









「ミーナ、髪の毛」



数十分後、お風呂から上がって部屋に戻ってきた斗樹を視界に入れた瞬間、思わずキャッ!と小さく悲鳴をあげて両目を自分の手で塞いだ。



「なに?俺の裸なんて見慣れてんだろ?」



なんであんたはそんな平然とした態度でいられるのよ。


斗樹は上半身が裸で下半身はさすがにスウェットをはいているけど、濡れた髪の毛からポタポタと水滴が程よく筋肉のついた世間でいう、“いい体”を伝っていく。



そんな彼はいつも以上に色っぽくて…私の鼓動はドクンドクンとさっきから早鐘を打っている。


そんな私をよそに何食わぬ顔で部屋に入ってきて私の前にドライヤー片手にちょこんと座る。



「み、見慣れる見慣れないの問題じゃないし…!」


「あ、もしかして俺のいい体見て照れてくれてる?」


「う、うるさいなぁ。早く服着てよ!」



私は斗樹のことを直視出来なくなってできるだけ彼の体が視界に入らないようにしながら、近くにおいてあった彼のTシャツを渡す。