【完】お前のこと、好きすぎてやばい。




「へぇ。お気の毒だな」



メッセージを横目で盗み見たのかそんなことを言った。
人事だと思いやがって……ほんとにこういうときに気の利いた言葉ぐらい言いなさいよ、バカ。



「別に…大丈夫だし」


「仕方ねぇから今日だけは俺がここに泊まってやる」


「……は?」



今のはきっと私の空耳だよね?
『ここに泊まる』とかいう単語が聞こえてきたんだけど。
それは気のせいだよね?


一人で唖然としているとそんな私を見て斗樹がハハッとお腹を抑えながら笑っている。


やっぱり冗談なんじゃん…冗談でもそんなこと言わないでほしい。



「そんなに驚くなよ。
着替えは取りに帰ればいいだろ?」



「……何言ってんの?」



そのセリフは泊まりに来る気満々のようにしか聞こえないのだけど。


冗談だよね…?



「はぁ?俺がお前のちんちくりんの服が着れるとでも?」



何故か呆れたように言う斗樹。
呆れたいのも『はぁ?』っていうのも全部私のセリフだから…!


ちんちくりんって何よ…!!
失礼にもほどがあるでしょ…!!



「本気で泊まる気?」



恐る恐る尋ねると彼はなんの躊躇もなく「当たり前だろ」と言いながら家へ着替えを取りに行こうと窓から外に出ようとしている。