転院した病院は子供の頃からかかっていた総合病院。

そこで中学時代の同級生・直子が看護師をしていた。

彼女は時折自暴自棄になりそうになっていた俺を支えてくれた。

彼女は中学時代からずっと俺に好意を寄せてくれていたし、事実、何度も告白をされた。
けれど外見がタイプじゃないのと彼女の世話好きな性格が、守ってあげたいコが好みだった俺には恋愛対象外だった。

だけど、外見はあの頃からは想像もつかないくらいきれいになっていたし、なによりもその甲斐甲斐しいところが、心身ともに弱っていた俺にはすごく支えられた。


だからといって彼女と恋人同士になるかといえばそれは違った。
俺は別れた恋人のことをどうしても忘れられなかった。

それでもいい、支えたいと言ってくれた彼女。

何度となくそう言ってくれる彼女の優しさに俺は甘えた。

心のどこかでずっと別の女性を想っていることを受け入れ続けてくれた。
彼女には感謝しかない。