ロッド様が鋭い視線でそう答えた時、ジャナル大臣はニヤリ、と不気味に微笑んだ。
「私が、そんな簡単に呪いを解くわけないでしょう。力尽くで私の魔力を奪うなら別の話ですがね。
…まさか、この“私の城”で、好き勝手に動けるとでも思っているのですか?」
え…?
その時。
ラントが、ぴくり、と肩を揺らした。
アルとロッド様も咄嗟に私を庇うように立つ。
と、次の瞬間
私達が向かおうとしていた庭に、大きな魔法陣が広がった。
ドドドド…!
突然、大きな音とともに庭の地面が隆起する。
はっ!とした瞬間、土だった地面はみるみるうちに灰色のコンクリートへと変わっていった。
な…、何が起こったの…?
まさか、ジャナル大臣の魔力で作られたこの城は、大臣の思うように地形が変えられるってこと…?!
するとその時、私達の背後から重々しい鋼のぶつかり合うような音が聞こえてきた。
ガチャガチャと聞こえるその音は、何かの“足音”のようだ。
「!何だ、ありゃァ?!!」
振り向いたラントが目を見開いて叫ぶ。
私も、ラントにつられて咄嗟に振り返ると、私達の潜ってきた門の向こうから、数え切れないほどの“鎧の騎士”達がこちらに向かって進軍してくるのが見えた。
言葉を失う私の横で、アルが口を開く。
「まさか…あれはクロウの城の武器庫にあった鎧達…?!」
私は、その言葉を聞いて、はっ!とする。
素早く振り返って城の方を見ると、ジャナル大臣の瞳が鈍く光っているのが見えた。
私は、ロッド様達に向かって口を開く。
「ジャナル大臣が魔力を使って中身のない鎧を操っているんだわ…!
あの騎士達は、きっとここに攻めてくる!」
私の言葉を聞いた三人の顔つきが変わった。
ロッド様は、ぐっ、と眉を寄せて低く呟く。
「…こうなったら強行突破だ。
庭から入れない以上、城の中から地下牢に向かうしかない。」
!
そのロッド様の言葉を聞くや否や、ラントは剣を片手に駆け出した。
「行くぞ、セーヌ!
さっさとしねぇと、鎧の大群に周りを囲まれる!」



