「っ……」
カクンッと頭が落ちて、私はパッと目を開ける。
あれ……ここは。
「……そら……くん?」
「……は?」
さっきまで目の前にいた人の名前を呼ぶと、返事が聞こえたのは隣から。
見ると私の隣に座っていたのは……篁くん。
「……え、は? えっ!?」
怪訝そうな顔をして私を見る彼の姿に、頭が一瞬にして覚醒する。
もしかして私……いや、もしかしなくても、寝てた……!?
「や、あのっ、違うの! 今のは夢で! その、篁くんのことじゃなくて、さっきの……」
「どうでもいいけど」
「え?」
「どうでもいいけど、大丈夫?」
慌ててさっきの発言を否定しようとした私。
それを遮ってきた篁くんの言葉に、ポカンとする。
「大丈夫って……?」
「体調」
「あ、うん……」
寝てしまっていたから?
思いがけない問いかけに、こくんと素直に頷くと、
「だったら急がないとやばいかも」
「……え?」
やばい?
何のことだか分からず首を傾げる私に、篁くんはポケットからスマホを取り出して見せた。



