「ここ……?」
「なに、なんかアトラクション行きたかった?」
「いや……」
そういうわけではないけれど、と私は返事を濁らせる。
付き合ってと言われ、篁くんが連れてきた先は、園内隅のベンチだった。
しかもそこは、比較的小さな子ども向けのエリア。
「ここならうちの生徒もほとんど来ないだろうから。誰かに見つかったら、まためんどくさいし」
「……」
どの口が言ってるんだと、心の中で思う。
でもそっか。確かにまわりにうちの生徒はいないし、ここなら出会すこともほとんどなさそう。
でも……。
チラッと横目で篁くんを見る。
こんなところに並んで腰掛けて、いったい何を話せばいいの?
……というか、わざわざ私を連れ出したということは、話があるっていうこと?
なんとなくベンチに座ることが出来なくて、そのまま立ち尽くしていると、
「のど渇いたから、自販機探してくる」
篁くんは素っ気なくそう言って、私に背を向けた。



