「放課後暇だし、遊んでもいいけど、どういうことかわかってる?」


頬杖をつき、涼しい顔をして言った彼の言葉に、女の子達はしんと静まる。


「それって……それでもう“終わり”ってこと?」


輪の中のひとりが、意を決したみたいに口にした。

すると彼はニコッと笑って、「そ」と頷く。



たいていの女子はみんな、彼のことを好きになる。

そして、告白したり、遊びに誘えば簡単に頷いてくれる。


……だけど、それは一度だけ。

一度だけ関係をもってしまえば、その後はさようなら。


決して恋人にはしてくれない。



「っ、なんで彼女作らないの!?」


バンッと机を叩いて、ひとりの女子が身を乗り出す。

すると、彼は「んー」と、短く考えるみたいな声を漏らして。


「それ以上、興味ないから?」


首を傾げて、さっきと同じ笑顔を見せた。

その瞬間、取り巻きの女子達から「きゃーっ!」と、黄色い声が上がる。