すき、きらい、恋わずらい。




「……ちゃん、お姉ちゃん!」

「んっ!?」

体を軽く揺すられて、ハッと目を開く。

すると、目の前には電車のおもちゃを持ったそらくん。


「これ、お姉ちゃんそこに置いて!」

「あ、うん……」

いつの間にか並べられていたおもちゃのレール。

言われた通りその上に電車を乗せると、そらくんは満足げにまたおもちゃ箱の方へ。


……やばい。私、完全に今……。


「さっきから意識飛ばしすぎ」

「っ!?」


冷たい声に慌てて隣を見れば、それこそいつの間にか篁くんが隣に座っていた。

そらくんに言われたのか、カチャカチャと青色のレールを繋げている。


「何でそんなに眠そうなわけ?夜遊び?」

「そっ、そんなわけないじゃん!一緒にしないで!」


昨日眠れなかったのは、夜遊びなんかじゃない。


「昨日、父さんが……」


脳裏にフッと浮かんだのは、久しぶりに見た気のする父さんの後ろ姿。


「父さん?」

「っ、何でもない」


こんな人に、私は何て話をしてるの。

篁くんに復唱されて、焦って口を閉じる。