すき、きらい、恋わずらい。



繋いだ小さな手が温かい。

涙目で真っ直ぐ前を見ながら、ぎゅうっと強く握り返してくるのが可愛くて、私は目を細める。


それにしても……なんでついてくるの。


私たちの数歩あとを歩いてついてくるのは、他でもない篁くん。

子どもとかあまり好きそうな雰囲気じゃないし、みんなの元へ戻ってくれればいいのに、どういうわけかついてくる。

ついてこないでよって、はっきり言ってしまいたいところだけど、こんな小さな子どもの手前、しかも迷子で不安になっているところに、そんなキツイことは言えない。


……まぁ、気にしないことにしておこう。


「ねぇ、お名前はなんていうの?」

そう思い直して私は、男の子へと声をかける。
すると立ち止まって、男の子は口を開いた。


「……そら。まつしたそら」


「……」


耳に入ってきた名前に、私は思わず硬直する。

だって、その名前はーー。