すき、きらい、恋わずらい。


あれ……?

影山くんから何の返答もなくて、どうしたんだろうと顔を上げた。

すると、


目の前には心なしか顔を赤く染め、驚いた顔をした影山くん。


「……びっくりした。まさか高宮さんにそんなこと言われると思わなかったから」


「じゃあさ」と続けて、影山くんは私を真っ直ぐ見る。


「本当に僕と付き合ってくれる?」

「……え?」


思いもしなかった彼の言葉に、私は手からプリントをするりと滑り落とした。


ドクドクと速くなる鼓動。

まさかこんな風に本気にされると思っていなくて、戸惑っていると――。


「なんてね、冗談だよ」

フハッと影山くんはまた吹き出し笑って、何事もなかったかのように手を動かし始めた。

……な、なんだ。
こっちの方がびっくりした。


「もう、そういう冗談やめてよ……」

ホッと肩の力を抜きつつ言うと、「ごめんごめん」と影山くんは苦笑しながら謝った。

「もう……」ともう一度だけ呟いて、私も作業に戻る。


篁くんのこととか、恋愛関係のことについて興味なさそうなのに、影山くんの質問や言葉は少し意外だった。