「……あ、そういえば買い忘れがあってね。ちょっと出てくるから、3人でゆっくりしてて」

そう言って、立ち上がったありさのお母さん。


「買い物なら私達が……」

「ううん、大丈夫。すぐ帰ってくるから……ありさ、お茶のおかわり出してね」

「え、うん……」


「それじゃあ、よろしくね」と言い残して、ありさのお母さんはリビングから出て行った。

パタパタと遠ざかる足音。
それから少ししてバタン、と扉が閉まる音がして。


私達の間に流れるのは、


「……」


ただただ沈黙。


気まずい、気まず過ぎる。

間に座った隣のありさにチラリと視線を向けると、


「……ちょっと着替えてこようかな」

「えっ!?」


苦笑いして言ったありさの発言に、私は思わず大きな声を上げた。

だって、着替えてくるって、それはつまりありさが席を外すということ。

そしたら私はここに、篁くんと二人になってしまう。


そんなの……嫌!!


「わ、私も一緒に行く!」